東京国立博物館で教育普及室長をされていた方(仏像彫刻専攻)が
好評だった小中学生向け企画展をもとに書かれた本。
たいてい仏像というと、しんとした寺でドーンとした背景の前に鎮座しているものですが
こちらで使われてる写真は背景一切なし。白地に仏像。
こうして見ると、仏像の異形さと意外なポップさが際立ちます。
説明は非常にわかりやすく、よく整理され、しかもおもしろい!
あとがきに
「そして、わたしの最後の展覧会でも、この本でも大活躍してくれた仏像たちにも、お礼をいいたいと思います。いわゆる名品もあるし、名もない作品もあるけれど、どれも東京国立博物館の展示室と倉の中にいる、かつての仲間です。」
とあるように、
研究対象というよりは、「旧知の友」を語るような愛が感じられます。
版画を使ったイラストを含め、装丁がまたほのぼの良い雰囲気。
大事にしたくなる1冊となりました。
(朝日出版社/山本 勉:著)