昨年、友人と2人で花見をした公園に
今年は彼女を偲びに一人で来ました。
同じ場所にシートを広げて。
そう、見所がよくわかんなくて
対岸の桜を眺め、行き交うスワンボートを眺め、
カモを眺めて過ごしたのでした。
途中の店で「やっぱり花見団子がないとね。」と言い出したのは友人。
食欲があまりなかったのに
私が十年以上ぶり(!)に作ったおにぎりを
喜んでたくさん食べてくれて
お団子までぺろりと完食して
ほんとうに嬉しかったっけ。
もっとたくさん喜ぶようなことしてあげたかったなあ、と思ったら
少し涙が出た。
でも、父の葬儀の時にお坊さんが言っていたのは
「亡くなった人は仏になってしまわれるので
お参りすることやお供えすることで
何かしてあげたと思うのは間違いです。
仏にしてあげられることなど何もないのです。
でも、何もしなくてもいつも見守ってくださっているのです。
大事なのはそのことを忘れないことです。」
ということ。
今してあげられることさえないのに
過去を悔やんでも全く意味のないことなんだろう。
私はただ彼女のことを覚えていて、繰り返し思い出して
彼女の思いを、彼女への思いを身に沁み込ませて生きることしかできないんだろう。
帰り道、桜の下を通りかかった時にはらはらと花びらが落ちてきた。
「あ、今そこにいるんだね。」と思った。